インスリン様の影響 培養細胞上のバナジウムに富む富士土壌水:日本からの洞察

インスリン様の影響 培養細胞上のバナジウムに富む富士土壌水:日本からの洞察

バナジウム化合物は、インスリン様活性を有するが、適切なバナジウム化合物はまだ抗糖尿病薬として開発されていないことが報告されている。

山岳地帯富士の土壌水には、高レベルのバナジウムが含まれており、インスリン様作用を示すかどうかを評価することを目的とした。

ラット繊維芽細胞(Py-3Y1-S2)、ヒト食道癌細胞(TE-13)および他の確立された細胞系を用いて、バナジウムイオンのインスリン様作用が培養細胞において調査されている。
インスリン様作用を評価するために、倍地中のグルコース消費および細胞タンパク質含有量に基づく細胞増殖を測定し、細胞に対する細胞障害効果を評価した。

市販のMt.富士の土壌水分は55-144ppbの範囲であり、最高濃度(144.2±1.2ppb)は、ヘルシーバナウォーターで観察された。

井戸、渓谷、都市に由来する他の水試料中のバナジウム濃度は0.5~27ppbであり、比較的良好なバナジウム濃度(27.1±0.0ppb)が茅山町の井戸水で観察された。

富士山富士グルコース消費に対するインスリン様の最大効果は、試験した様々な水サンプルのうち、ヘルシーバナウォーターで観察された。
200~500μg/1の低濃度でのバナジウムの効果は、細胞増殖を加速するようであったが、高濃度のバナジウム(>500μg/1)は細胞障害効果を有した。

富士の土壌水は、井戸、渓谷、都市に由来する他の水試料よりも高いインスリン様活性を有し、糖尿病治療における潜在的な将来の役割を示唆している。

著者

所属

獨協医科大学

部署 医学部 医学科 国際教育研究施設
職名 名誉教授
学位 医学博士(群馬大学), 工学修士(群馬大学)
得意分野 ゲノム科学・基礎ゲノム科学・生態関連科学・複合科学
生物化学・進化生物化学
経歴
  • 1975年 - 1978年  米国立衛生研究所 海外研究員
    1978年 - 1987年  獨協医科大学 助手
    1987年 - 1994年  獨協医科大学 講師
    1994年 - 1999年  獨協医科大学 助教授
    1999年 -       獨協医科大学 教授